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中村哲氏DVD試聴会

  日程 2021年8月22日(日)
  時間 午前10時15分〜11時50分
  場所 大阪音楽センター会館2F

 今回は中村哲氏を支援するペシャワールの会の作られた「荒野に希望の灯をともす 〜医師・中村哲の35年間の実践と思索〜」を視聴しました。来年2月予定の第85回定期演奏会で演奏するさだまさし作詞・作曲「ひと粒の麦〜Moment〜」(金井信編曲)はアフガニスタンで亡くなられた中村哲氏に捧げられた曲です。今はアフガニスタンがアメリカの撤退とタリバンの権力掌握で混乱の極みとなっていますが、アメリカが同時多発テロをきっかけにアフガニスタンに20年前に軍事介入する以前から医療活動を現地の人と共に行い、後半では現地の人の生活を支える水路建設に邁進された中村哲氏の活動をより深く知ろうと企画しました。

   
緊急事態宣言中のため、通常練習は中止していますが、合唱をせずに静かにDVDを視聴しました。  
   
司会の演奏教育部長のソプラノKさんより今日の感想をぜひ機関紙「くれっせんど」に投稿して欲しいとの声がありました。
青年部のメンバーも何人か参加していたのですが、ぜひ自分たちも視聴したいとのことで9月11日(土)に青年部でのDVD試聴会を行いました。
また下には後日発行された機関紙「くれっせんど」からこのDVDへの感想が載りましたので転載します。
  ペシャワール会発行のDVD「荒野に希望の灯をともす 〜医師・中村哲の35年間の実践と思索〜」です。団長がペシャワール会から購入しました。

<中村哲医師の活動のDVDを鑑賞して>   【ポマB アルトOさん】
                                  
 8月22日音楽センターで「荒野に希望の灯をともす」中村哲医師の活動の経過を見せていただいた。撮影された時と今はまた異なった情勢になっている。現状はどうなっているのか、緑の荒地だった場所はどうなっているのか気になった。
 画面を見ている時私は神戸の震災の4日後支援に入った時のことと重なった。支援に入った病院は、待合室のソファ、廊下にマットレス、布団をベッドの代わりに臥せって患者さんが多く、着いたらすぐに行動した。民医連で全国から支援も入って来ていたが、今のコロナと同様、看護師も何でもするという状況だった。避難所から体調不良のため受診した子どもが“あ、水がある”とトイレで叫んだ声が今でも耳に残っている。その水は支援に来た事務の人たちが交代で近くの川まで汲みに行きためていた水だった。当然病院は自家発電で明るいが周辺のライフラインは止まっている時だった。
 命を支える水にまたそこから食料につながる食物にこだわり続けたいと強く思った(その時も自治体の支援はまだ何もなかった)。

<中村哲さん鑑賞会の感想>   【青年部Peace&Amuse ソプラノAさん】

 中村哲さんがアフガニスタンへ行った頃に「1000人を超える病人がいるのに病床が少なすぎる」とおっしやっていた。もし、中村哲さんがまだ生きていたら、病床を減らして医療崩壊になっている今の日本を見たらどう思うだろう。心底ガッカリするだろうと思いました。
  「どれだけ抗生物質を処方しても、汚い水と栄養不足のままだと病人は減らない。キレイな水と栄養があれば8割の病気は治る」と信じ、医療は信頼できる仲間に任せて用水路建設に尽力を注いでいた。
 建設に関しては素人で、地元の方からも不安の声が上がっていたけど、中村哲さんの熱意やこれまでの信頼、そして素人ながらに必死に建設について調べて設計した中村哲さんにみんなが賛同。成功するか半信半疑ながらも沢山の人たちが手作業で進めていく。中村哲さんが信頼されていなかったら、これだけの人たちが動く訳がない。
 果てしない砂漠で途方に暮れそうになるが、3年後には森ができていた。
こんな魔法見た事ない。もちろん魔法ではない。3年以上、毎日毎日少しづつ少しづつ掘り続けた結果である。そして今も中村哲さんの思いも受け継がれている。
  中村哲さんの自分のプライベーを投げ打ってでも信念を貫く姿勢を見て、.私も自分にできる事はしようと思いました。

<中村哲さんのDVDを観て>     【青年部Peace&Amuse アルトYさん】

 用水路の建設で広大な枯砂漠だった地が青々とした豊かな大地に変わった景色にとても感動しました。水が大地を潤したことで農業ができるようになった農家の人たちの嬉しそうな顔、用水路で野菜を洗う子供たちの笑顔や学校で学ぶ希望ある眼差しを見ると、中村哲さんが行ったことこそ本当に必要な支援で、軍隊も武器も地元民の生活に何の役にも立たないということがはっきり分かります。
 中村さんは用水路建設の知識も技術もなかったけど、地元民が生きていくために必要なものは水という事実と向き合い、何度も困難に見舞われても諦めることなく地元民と進む姿がとても印象的で、強い決意と覚悟を感じました。
 人と人が向き合い互いに力合わせることで困難を打開していく力が生まれるのだと感じ勇気づけられました。

<8月22日 中村哲さんのDVDを観て>       【ポマB ソプラノKさん】

 当日の感想でも言いました力気こんなDrがいるんだという驚きと感動がDVDを観ての率直な感想です。
 大干ばつという自然災害と併せて、長い戦争や内戦による被害。その中で、感染症やケガ・飢えで多くの命が失われていくという実態を目の当たりにして、「自分のできること」として、全生涯をかけて病院の建設や水路の建設に取り組まれたこと。
 そういう取り組みをこちらサイドで勝手に行うのではなく、住民の思いを聞きながら話し合いを重ねながら進めていくことで、住民との信頼につながっていったのだということ。
 「裏切られても裏切らないことが人々の心を動かす」簡単なことでは決してなかったであろうことに、地道に取り組んだこと。そして、その取り組みは中村さんが亡くなった後も引き継がれていること。
 一人の力は小さいけれど小さな力を合わせれば、難しいと思われるようなことも成し遂げることができるのだということ。
 そしてなにより、薬だけでは病気は治せない。戦争では命は守れないということ。
 私が看護学生の頃にどんな看護師になるのかをみんなで話し合いを重ねた中で、平和でなければ自分たちのしたい医療や看護は行えないとしてうたごえの取り組みや原水禁の取り組みにもみんなで参加してきました。
 中村哲さんのような大きなことはとてもとてもできませんが、今私にできることをすることが大切なんだということを思いながら、1日1日を大切に生きていきたいと思いました。
そして、1曲1曲を大切に歌っていきたいと思いました。