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日本のうたごえ祭典inひろしま旅行記

  日程 2021年12月3日(金)〜12月5日(日)
  場所 広島市 アステールプラザ・HBCホール他
 

 <日本のうたごえ祭典inひろしま>が12月3日から5日にかけて行われました。実は昨年行われる予定で広島の方々を中心に準備を進めていたのですが、コロナ禍のため延期となった祭典でした。今年も無事出来るかどうか分からない中、いろいろ議論をつくして準備をされてきたことに本当に敬意を表します。関西合唱団をはじめ大阪のうたごえ協議会も祭典の成功のために協力を惜しみませんでした。10月30日と11月7日には大阪で祭典のための合同練習会も開かれました。関西合唱団は「We Are The World」、レガーテは女声合同の責任団体となって準備をしてきました。
 さて、その祭典も広島の熱い情熱とコロナ感染の大幅な減少にも支えられ、無事成功裏に終わることが出来ました。
 では、簡単に祭典に参加した旅行記を綴ってみます。 

12月3日(金)
 
JMSアステールプラザです。3日間全てこの会場を利用しました。
3日は大ホールでは合唱発表会一般の部Aが行われました。夜の記念音楽会の練習も会議室や他の場所で行われました
関西合唱団青年部Peace&Amuseも一般Aに出演しました。
  その隣の広島文化学園HBCホールです。夜の記念音楽会の会場です
 
アステールプラザ大ホールです。今日の合唱発表会一般の部Aの会場です。    関西合唱団Peace&Amuseは午後すぐに出番があるため、着替えてリハーサル室の目に集合しました。
 
リハーサルの様子です。曲は「つたえたいことがあります」と「It's A Small World(小さな世界)」です。2曲目には手話付きの振り付けもつきます。   演奏を終えて、こっそり舞台裏で記念撮影。 撮影者含め2名が欠席です。
結果は金賞(同率で3団体)となりました!
ちなみに合唱発表会女性の部ではレガーテが金賞となりました!
 
すぐにHBCホールにて<記念音楽会>ピースウェーブコンサートのリハーサルに入ります。団員で10名ほど参加している日本のうたごえ合唱団の舞台リハーサルです。指揮は守屋博之さん、ピアノか門万沙子さんです。曲目は「その日のために」「つばめ」「炎上だ」です。「つばめ」のソロの太田真季さんが秀逸です。    関西合唱団が幹事団体に名を連ねている「We Are The World」の舞台リハーサルです。指揮は山本恵造さん、広島センチュリー管弦楽団です。
指揮者からは指揮をしっかり見て歌うように指示がとびます。しかし、オーケストラと一緒に歌えるのはなかなかない機会です。 
 
記念音楽会が午後6時半より始まりました。 日本のうたごえ合唱団は2階ロビーに集合し、隊列を作ります。   そして、隊列ごと舞台裏に行き並び直します。各列後の先頭の人が看板を持っています。舞台裏はとっても密でした。 
 
記念音楽会の最後を締める「We Are The World」う歌う人の集合が2階ロビーでありました。看板を持つのは我が団員です。   団員の誘導で列を作り舞台裏へ誘導します。関西合唱団の女性が大活躍です。
 
舞台裏はとっても密。心配になります。
その音楽会も無事終了し、着替えをしてから団員はそれぞれのホテルに帰ることになりました。
しかし、タクシーを待つ人の列、バスを待つ人の列でなかなか帰ることが出来ません。遠い広電の停留所まで歩いて帰る人もいました。(私がそうでした。ホテルに着いたのは10時半頃です。近くのホテルにしておけば良かった) 
  平和記念大通りには今年も電飾が輝いていました。 
12月4日(土)     
 
2日目は関西合唱団の団員はゆっくりできました。11時頃にアステールプラザ大ホールに集合し、音楽会「コンサートヒロシマ・T 夢よひろがれ」の舞台リハーサルから始まりました。関西合唱団としては「たいせつなこと」と女声は女声合同の「かあさんたちの贈りもの」・「リメンバー」に参加します。「たいせつなこと」の指揮は作詞作曲の安弘真理さんです。横には関西合唱団の定期演奏会の舞台監督としていつもお世話になっている森さんです。    関西合唱団のメンバーが1列目に並べられました。しっかり歌詞を間違えないように歌わなければいけません。緊張が走ります。 
 
場所をオーケストラ練習室に変え、「たいせつなこと」 の練習です。安弘さんの指揮が大きくて力みが無く、とっても歌いやすかったです。   はじめはピアニストが遅れてくると言うことで、関西合唱団のA1のIさんに急遽ピアノをお願いして練習は始まりました。
この後、女声合同の練習になり、指揮者の山本恵造さんとレガーテのピアノでおなじみの山下和子さんが来ました。
筆者は男声なのでレガーテの方にすぐにどくように言われました。 
 
待機場所はアステールプラザ4階の大会議室です。ここから2階ロビーに集合して列を作り舞台裏に移動して「たいせつなこと」や女声合同を歌いました。   音楽会Tの様子をビデオで中継してくれています。和室にも同じようなスクリーンがあり、音楽会の様子が中継されていました。音楽会の終了後は昼食会場となり、昨日の記念音楽会の録画も放映されていました。 
 
関西合唱団としての今日の取り組みは終了。音楽会Uが始まるまで3時間あります。個々人やグループで観光(といっても遠くには行けませんが)をしました。アステールプラザから平和記念公園までは近いので多くの団員が訪れていました。    これは2日(木)に撮った平和記念資料館です。平日は修学旅行生で資料館の中は取っても密。しかし、新しくなった音声ガイドを使うと吉永小百合さんの声で丁寧に資料の説明をしてく、ガイドの装置には映像も出るのでとっても集中して資料を見て回ることが出来ました。
   
やはり平和記念公園の近くにある広島城です。中は大阪城と同じで鉄筋コンクリ−ト作りの資料館となっています。    平和公園です。 訪れる人によっては「原爆許すまじ」などの歌を歌いながら歩いてきました。
 
原爆の子の像です。資料館で説明を聞いた後では感慨ひとしおです。    その横でうたう会をしているグループに遭遇。よく見ると知った顔ばかり。大阪のうたごえの仲間達でした。このうたう会のために折り鶴を1000?羽折って持ってきたそうです。 
ギターとピアニカの伴奏で指揮もつけてリクエストを取りながら歌い続けていました。    歌詞カードも沢山作ってきていて配っていました。楽譜集も用意して必要ならどうぞと。その準備と取り組みに脱帽です。 
 
音楽会「コンサートヒロシマ・U 響けうたごえ」が午後6時半より開演しました。多くの関西合唱団の団員は会場内でしっかり聴くことが出来ました。まずは日本のうたごえ青年合同で「広島へ」。    関西合唱団青年部Peace&Amuseもこの演奏に参加するために練習してきました。
音楽会は韓国から来る予定だったキム・ウォンジュンさんがコロナ変異株の出現のせいで入国が出来なくなり、映像をつないでの参加となりました。そのせいか、音楽会は30分早く終わりました。
12月5日(日)     
 
朝9時にマツダスタジアム近くの善通寺に集合しました。 多くの団員は3日(金)から来ているのでなんとなるのですが、今日大阪を出てここに参加した強者の団員もいます。朝早くからご苦労様でした。   本堂には「お寺でうたごえ喫茶」のチラシがあり、ピアノもありました。レガ−テの人が手配してくれた練習場所です。 
 
TのSによる体操・発声は少しフライング気味で8時50分過ぎからスタートしました。そしてすぐに合唱発表会の曲「空虚」と「つながっている」の練習に入ります。
指揮者は合唱発表会全般の準備や運営のためリハーサルと本番にしか来られません。当初は指揮者がいない中で指揮無しで練習する予定でしたが、指揮が欲しいと言うことになりS2のTさんの指揮で練習しました。
  門さんのピアノが頼りです。門さんも今日は複数の会場に分かれた合唱発表会の掛け持ちなので移動が大変です。
 
「空虚」で何度も出てくる「死者たちは・・・」を本堂に向かって歌うと何か身が引き締まる思いがあります。    40分間の練習が終わり、団長から最後の訴えがありました。「死者たちは・・・」これが今日は広島の地に埋まっている原爆被害者への思いと重ねて歌いたい、そして核なき世界へと運動をつなげていく思いを「つながっている」に託したいと語っていました。(時間がたったのでうる覚えで違っていたらすみません) 
 
合唱発表会一般Bの会場であるアステールプラザまで遠いので、タクシーを事前に11台配車していました。順次タクシーに乗って行きます。これで何とか開演前に着くことが出来ます。
善通寺にはこの後、大阪の河南混声合唱団が集まってきました。 
  会場について着替えるともうリハーサルです。リハーサル会場前で最後の意思統一を演奏教育部長のS1のKさんが進めます。 
   
指揮者もやっと合流できて、曲への思いを語りました。   リハーサルの様子です。 「空虚」と「つながっている」の最後の仕上げです。
   
本番直前、舞台裏で並びを作ります。    この合唱発表会の演奏で関西合唱団としての行動は終了しました。午前中に終了したので午後からは多くの団員は合唱発表会を聴いて、広島をあとにするのでした。
金賞の第3位となりました。
本当に広島の皆さん、ご苦労様でした! 

広島祭典を終えて(関西合唱団機関紙くれっせんど2021年12月16日号より)   【関西合唱団常任指揮者 山本惠造】
 長期に亘る緊急事態宣言で合唱活動の休止が続く中、ようやく開催にこぎつけた広島祭典は本格的なスタートが緊急事態宣言解除後の10月からとなった。しかし全国のうたごえの仲間の協力により記念音楽会、二つのコンサート、合唱発表会など多彩な取組を成功させ、多くの感動を生み出した。特に大阪の取組みは全国でも群を抜いており“歌って参加・聴いて参加”、賛同金など全国の牽引役となり祭典成功を大きく支援できた。この広島祭典で合唱発表会の審査にあたられた大阪音楽大学学長の本山秀毅先生は「合唱に関して言うと、間違いなく日本最大級のイベントである」と述べられていることに改めてうたごえ運動の裾野の広さ、運動の目指す方向性に誇りを持ちたい。
 この中で関西合唱団が全国の責任団体として役割を担った全国合同ステージ「We are the world」は全国への演奏参加要請、練習会の開催などコロナ禍で参加を迷われていた方たちの背中を押して165名もの演奏者とオーケストラも加わりで迫力ある圧巻の演奏となり成功に導いた。全国の参加者からは「オケも入り気持ちよく歌えて良かった!」など多くの感想を頂いた。また、「たいせつなこと」でも平和の願いをしっとりと伝え演奏を支えた。また全国女性合同でも213名もの演奏者で平和を願うメッセージがしっかりと届いた感動的な演奏となり成功に導いた。これらは演奏の核となる合唱団がいた事、200名近くの演奏者を集めた事、当日の合わせだけでなく事前の練習会が質の高い演奏を生み出したと言える。当日の演奏参加は勿論、誘導、運営も含めて関西合唱団の奮闘に感謝致します。
 一方、合唱発表会については今年も金賞に輝くことができた。コロナ禍で練習の積み上げができない中でしたが本番の集中力で乗り切れた。しかし、課題もいくつかありコンサート本番までに更なるレベルアップを積み重ねていきたい。関西合唱団が評価される要因として何があるのであろう。私は一般の部Bで場内整理役を授かり、多くの演奏を聴くことができたが、今年はあまり心に残る演奏が少なかった。その中でも昨年入賞できなかった名古屋青年合唱団の演奏が圧倒的で印象深かった。歌い手の指揮への集中力、歌い手一人一人の作品への深い思いが感じ取れる演奏は他のどの団体よりも優れていた。演奏された作品は合唱連盟全国大会のユース部門で全国トップの都留文科大学が信長貴富氏に委嘱した作品であるが、戦争の悲惨さと平和を願う気持ちが2曲に込められ感動的であった。関西合唱団との共通点は「何を」「誰の為に」「どのように」が音楽創造の視点で明確に表現されている点である。関西合唱団は反核平和を願った署名活動など日常の様々な取組の実践で育まれてきた思いというものが委嘱作品の根底に流れておりその事が聴き手に伝わったのであろう。その点では、B部門の他の合唱団の選曲意図が読めず演奏にも伝わってくるものが薄かった。私たちうたごえ運動を推進するものとしてこの事が一番重要であり生命線であるはずだ。特に指揮者を専門家に委ねている合唱団は選曲を含めた目指すべき創造活動においてもっと団員自らの発信が無ければいけないと痛感した。
 最後にコロナ禍の中で多くの合唱団が団員減少に苦しみ、加えて若年層を巻込んだ団員拡大が進んでいない。このままではうたごえ運動の危機と言える。豊中混声の西岡茂樹先生かち合唱発表会の審査を終えて次のようなメールを頂きました。「私の願いはただ一つ、“うたごえ”が今の日本の社会での存在理由や輝き、注目度をもっともっと高めて欲しいという事に尽きます。」このエールに応える為にもうたごえ運動の存続をかけた音楽創り。組織つくり、普及活動を本気で巻き起こさなければなりません。
 演奏会に向けて新しいー歩を踏み出そうではありませんか。