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核兵器禁止条約発効3周年のつどい

  日程 2023年1月22日(日)
  時間 午前9時30分〜午後4時30分

  場所 阿倍野区民センター大ホール

 大阪のうたごえ協議会では毎年この時期に行われている「がんばろフェスタ」の替わりに今回は「核兵器禁止条約発効2周年のつどい」を企画し、大阪の43団体の合唱団やサークルの総力を挙げて準備を進めてきました。各地域の合同演奏に加え、今回は後半の講演は詩人のアーサー・ビナードさんを講師として広島からお迎えしました。
 関西合唱団では1部の最後の演奏の「その手の中に」と女声合同の「リメンバー」、そして地域班のきたえ〜る班が「今この時代に」、ポマB班が「ひとつのピース」を歌います。
 さて、そんなつどいの様子を準備段階から本番まで少しだけ紹介します。また、団員の感想も紹介します。

 
女声合同による「リメンバー」のリハーサルの様子で、関西合唱団の女性も参加しています。実は10時頃にはクレオ大阪中央で35分ほど練習をしていました。そこからここまで地下鉄谷町線で2駅離れた阿倍野区民センターに20分ほどかけて来ています。他の3曲の出演団体も同じ事前練習をして集まっています。   会場でのリハーサルは午前11時から始まり、開場の13時半ギリギリまで続きます。各リハーサルは16分。舞台下にタイムキーパーがいて2分前に知らせてくれます。

実は別会場で練習をしていることもあり、この会場の設営準備の人が手薄になり、朝は椅子並べなど大変だったようです。
 
本番と同じく次の演奏団体は舞台裏で整列して待ちます。全国祭典を経験していることもあって大阪のうたごえ協議会の準備は手慣れています。   「その手の中に」のリハーサルです。関西合唱団はコーラス3びきのくまと一緒にこの演奏に参加します。
 
もうすぐ開場となります。その受付の様子です。受付の横には原爆に関する資料が並べられています。

リハーサルの受付は別に設けていて、中に入る人は全て検温と手指の消毒のブースを通らないといけません。
  リハーサルが終わると開場が始まります。出演者席は出演順に場所が割り当てられていて、全て中央の通路より上側になります。少しずつ出演者が指定の場所に座り始めました。
 
開演直前です。中央の通路より下は一般のお客様ですが、どんどん入場されて埋まっていきました。   開幕は「あの日の誓い」です。指揮は小池さん哲夫、ピアノは安宅由美さんです。
 
司会は青年部のアルトのTさん。大変上手に落ち着いて歌う曲や各団体の紹介をしていました。   続いて「ちむぐりさ〜遺骨が眠る土を海に沈めないで〜」です。指揮は山下政雄さん、ピアノは安宅由美さんです。
 
続いて「カイト」は指揮が小池哲夫さん、ピアノが吉山千春さん、その後は「ひとつのピース」は指揮が宮崎教江さん、ピアノは小野寺真弓さん、「今この時代に」は指揮が山本則幸さん、ピアノは南村知佐恵さんです。   「リメンバー」は女声合同、指揮は山本恵造さん、ピアノは山下和子さんです。
 
1部の最後は「その手の中に」。指揮は山本恵造さん、ピアノは山下和子さんです。   休憩時間に入りました。舞台には演台とホワイトボードが2つ並びました。会場はお客さんと出演者で一杯です。
 
2部が始まりました。アーサー・ビナードさんの講演です。アメリカのデンバー生まれで、大学の時代に日本語と出会い、卒業後に来日。日本語で詩作をして数々の賞を受賞。現在は広島にお住まいで、ラジオのパーソナリティーも務めているそうです。   日本とアメリカの違いの話で、日本の習慣でアメリカ人では理解されないのがマスク、逆に日本人が理解できないのはピストルをはじめとする銃器の扱い。心配する日本人が多いが、銃は持っているだけで殺傷事件にはならないそうです。(結構起こっているようなのですが)銃は相手に対する威嚇に使うのだそうです。撃つのが目的では無く威嚇そのものが銃器を持つ理由なのだそうです。
 
戦時中にアメリカが年間の国家予算に相当する予算をつぎ込んで核開発をして、それを日本に使って見せてソ連を威嚇した。アメリカ国内では戦争を早く終わらせるためと教育されていますが実は違っている。
日本政府が頼りにするアメリカの「核の傘」は核の威嚇そのもので、日本国憲法にある「武力による威嚇、または武力の行使は国際紛争を解決する手段としては永久にこれを放棄する。」とあって、「核の傘」の論理は憲法違反であると言われました。ビナードさんは来日してから沢山の疑問を自分で調べて解き明かしてきたのだそうです。
  核兵器開発では濃縮ウランを使った原爆と、技術的には難しい原子炉内で作られるプルトニウムを使ったより威力の強い原爆2個が作られ、最初に1945年7月16日にニューメキシコ州でプルトニウム型を近隣住民に知らせずに爆発させて被爆者を作っている。
広島では毎年の慰霊祭で広島市長が「人類史上最初の原爆投下」という言葉を入れているので、ビナードさんは毎年抗議しているそうです。GHQ管理下の1947年の最初の慰霊祭の広島市長の挨拶を読みながら、この時からGHQの指示でずっと世界をだましてきていると言っていました。また原子力発電などの核の平和利用も原子炉を稼働してプルトニウムを確保する隠れ蓑に使われている。
 
ビナードさんは講演の後半で、上着を脱ぎ、SDGs(持続可能な開発目標)のマークを並べたシャツになりました。日本では小学生でも知っているのにアメリカでは何のマークか全く知られていないそうです。しかし、この17の目標の中に核兵器禁止は入っていない。
CO2排出削減のために原子力発電は必要だとの巻き返しも始まっている。このSDGsも核開発の隠れ蓑に使われる恐れがある。
  最後にビナードさんが最近大好きになった歌が絵本になって各国の言葉で翻訳されているそうです。ルイ・アームストロングが歌った「What A Wonderful World」(この素晴らしき世界)です。このページを開き日本語で歌いながら講演を締めくくりました。

流暢な日本語で話してくださり、本当に日本人の私たちよりしっかり調べて問題の本質に迫ろうとしている姿に感動しました。
      

 関西合唱団の機関紙「くれっせんど」(1月26日号)に載せられた団員の感想です

 つどいの第一部では 大阪のうたごえの底力をひしひしと感じたひとときでした。府内のあちこちから43組ものうたごえの仲間が集まり、団体やサークル、グループの垣根を越えて、一曲を歌い上げるためにがんばりました。その姿が素晴らしく、圧倒されて、よし!次はわたしたちの番だ、とスタンバイ。ほぼ満席のホールに向けて心を込めて「リメンバー」と「その手の中に」を演奏しました。
 第二部のアーサー・ビナードさんの講演は、話題が豊富で流暢な日本語で親しみやすくいつの間にか話に引き込まれ、今の政治の矛盾点を鋭く解説してくれました。特に印象に残ったのは、広島に投下された原爆は、人類史上初ではなく、その一ヶ月前の7月、アメリカのニューメキシコ州で原爆が落とされていたことです。多くの犠牲者が出て、今も広島と同様に後遺症で苦しんでいる人がいるけど、いっさい公表されていないそうです。自国の民を何と心得ているのかと、あらためて怒りがわきました。日本も早く禁止条約を批准して二度と犠牲者を生まないように核兵器廃絶に取り組むべきだと思いました。
【アルト1 南班 Y】

 1月22日(日)阿倍野区民センターで行われた「核兵器禁止条約発効2周年のつどい」に参加しました。2部の詩人のアーサー・ビナードさんの講演は、これまで知らなかった事実を知ることができ「目からうろこ」状態でした。広島・長崎に原爆が落とされたのが初めてと日本国民はすり込まれてきていたが、広島の原爆が落とされる前1945年7月16日にアメリカのニューメキシコ州で告知もせずにプルトニウム核爆弾を作り、核実験をしたこと。それも秘密裏にアメリカ国民の莫大な税金がつぎ込まれて開発されていた。そして、アメリカでの人体実験を隠すために、「広島の原爆を人類史上初の核爆弾」と広島の記念式典でGHQに言わされていたこと。戦後78年経った今なおそう言わされている。意図的に。
 アメリカでは広島・長崎に原爆を落としたことは、侵略戦争を終わらせるために必要だった…と。アメリカ人は「正義」だったと思っているということ。
 少し前にテレビで731部隊に関わった人が、GHQにその情報を提供する代わりに戦犯を逃れたというのを見た。アメリカも日本も国民には何も知らせず…私たちの知らないところで権力によるやりとりや情報操作がされている。物事の本質はなかなか見えにくくされているが、本質を見抜く目を持たないといけないと改めて思いました。
 1部の演奏は、今回「ひとつのピース」「リメンバー」[その手の中に]の3曲も歌わせてもらいました。久しぶりに「リメンバー」を歌うということもあり、前日になかにし礼さんと佐藤しのぶさんの対談をYouTubeで見直しました。「ひとつのピース」はポマBで以前に合発で演奏しましたが、その時以上に「いつか 武器も爆弾も無くなる時代が”きっとくる”」に強い思いを持って歌いました。「核兵器禁止条約発効2周年」にあたり、全世界から1日も早く核兵器が無くなるよう 戦争がなくなるようにと願います。
【ソプラノ2 ポマB班 K】

 きたえ〜る班は、北西合同で「今この時代に」を歌う事になり、班練習(4回)、富田公民館の合同練習等に参加しました。団長の指揮で曲の背景、(園田鉄美さん)感動的秘話を知り大好きな一曲になりました。特に「この歌に込めて君に〜」の「君」は子どもだちなんです〜と。「君に」が優しい声に変りました。「世界中に広がれ」から「遠い未来の夢ではなく今を生きるこの時代に」と続くフレーズに核の廃絶も夢ではない、現実味を持った歌詞として、思いを込め歌いました。号笛南村さんのピアノ心地良かった。赤、青の蝶ネクタイ、ハンドサインの振りもつけて楽しく歌え良かったです。「リメンバー」広島バージョンは初めてでしたが、「ヒロシマ、ナガサキまで届け!」と歌い切って満足感ありました。ちょっとはり上げ過ぎたかなあ〜。「その手の中に」大合唱でしたが最後のハミングきれい〜!と感じました。すっかり関西合唱団のファンになってくれた(?)妹のダンナさん「アーサー・ビナードの話しも1部の合唱もどちらも説得力のある良いものだった。また、催しあれば教えて!」と。
 吹田退職教員の女性は「目をつぶって聴いていると30年位前の若い人たち(歌い手)が思い浮かんだわ〜。行きたいと思ってもなかなか行けなくて…。また、お知らせください。」と、嬉しかったでず。
 アーサー・ビナードさんの話し、ウイットに富んで日本人より日本語上手。表の歴史に惑わされず、史実をしっかり見極める事、「抑止力と威嚇」わかり易かった。最後の歌と絵本が素敵でした。帰って飲んだビールが美味しかった!
【ソプラノ2 きたえ〜る班 O】

 1月22日つどいに参加しました。翌日職場で患者さんのことで他の部署に電話するとたまたま22日のつどいに参加してくれた同僚が電話口に出て、要件を話した後に、「吉岡さん、こんなところでいうのもなんですけど、昨日のつどい良かったですよ、アンケート書こうと思ってかけなくてすみませんでした」」と話してくれたので、仕事が終わってからメールで感想をもらいました。
 「平和のうたごえについてはそれぞれの歌、歌詞が心に響きました。歌詞も聞き取れました。講演についてはとても分かりやすく、今まで知らなかったことがわかり良い講演でした。正直、日本人である自分より日本のことをよく勉強されていてとても恥ずかしく思いました。また、機会があれば話を聞きたいです。勉強になりました。」とありました。
 身近な感想を聞けてうれしかったです。これからも声をかけれる限りの知人にうたごえの企画のお誘いをしていこうと思いました。
【ソプラノ1 南班 Y】