第８６回定期演奏会の紹介
戦争によって引き裂かれる愛・・・ 戦争でも断ち切れない不滅の愛・・・ 　二つの大戦中に詩人たちによって編まれた詩が 　いまウクライナ侵略に向き合う私たちの心に重なり合う
沢山のご来場、ありがとうございました。
演奏日時	2023年７月１日（土）午後５時半開演　開場は４時半　　７月２日（日）午後２時開演　開場は１時
演奏会場	いずみホール
指　　　揮	山本恵造／守屋博之（名誉指揮者）
ピ ア ノ	門万沙子／石田瑞枝／山下和子
器楽伴奏	藤岡靖博（ベース）／小川悟史（ドラムス）
出　　　演	関西合唱団関西合唱団／関西合唱団青年部Peace&Amuse／関西合唱団とともに歌う合唱団／ともに歌う青年／レガーテ／関西合唱団６０周年記念合唱団／ 北部センター合唱団
スタッフ	黒川 淳子（司会）／森昭夫（舞台監督）
チケット	Ａ席　3,000円、Ｂ席　2,500円　全席前売り指定 高校生以下、障害者と介護者（１名）の方は全席500円引きです。 ご来場できない方にはオンライン配信をご用意いたします。
演 奏 曲　　第１部	＜オープニング＞ Sing　　　　　　　　　　　　　 　　（J.Raposo　詞・曲　星加ルミ子　訳詞　金井信　編曲） 奇跡～大きな愛のように～ 　（さだまさし　詞・曲　青山義久　編曲） ダイナミック琉球　　　　　　　　（平田大一　詞　イクマあきら　曲　鈴木有理　編曲） 民衆の歌が聞こえるか　　　　（レ・ミゼラブルより　ジーン・マーク、ハーバード・クレッツマー、アラン・ブーブリル　詞 　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　クロード・ミッシェル・シェーンベルグ　曲　岩谷時子　日本語詞　武義和　編曲 　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 国鉄広島ナッパーズ　補詞） 　　　【関西合唱団／関西合唱団青年部Peace&Amuse／関西合唱団とともに歌う合唱団／ 　　　　山本恵造（指揮）／門万沙子（ピアノ）／小川悟史（ドラムス） ／藤岡靖博（ベース）】
	春の使者（つかい）　　　　　　　（金子静江　詞　木下そんき　曲） 合唱組曲「自由なる朝へ」より　早春　　（滝いく子　詞　高平つぐゆき　曲） 　　　【関西合唱団６０周年記念合唱団／守屋博之（指揮）／門万沙子（ピアノ）】
	＜戦争と愛のバラード＞－混声合唱とピアノのための－ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　（角田英一 訳詞　新実徳英 作曲　全曲初演） きっと いつか　　　　　　　　　　（ヴェラ・ブリテン 詩） 戦争の4年目　　　　　　　　　　（ヘルマン・ヘッセ 詩） 戦争　　　　　　　　　　　　　　　（ジャック・プレヴェール 詩） 　　　【関西合唱団／関西合唱団とともに歌う合唱団／山本恵造（指揮）／門万沙子（ピアノ）】
第２部	美しい日　　　　　　　　　　　　（堤 江実　詩　安広 真理　曲） ミュージカルベストヒットメドレーより 　ライオンキングより　サークル・オブ・ライフ　　　（Tim.Rice　詞　E.John　曲　浅利慶太　日本語詞） 　キャッツより　メモリー　　　　　　　　　　　　　　　 （T.S.Eliot　原詩 T.Nunn 詞 A.L.Webber 曲　浅利慶太　日本語詞） 　　　　【レガーテ／山本恵造（指揮）／山下和子／小川悟史（ドラムス） ／藤岡靖博（ベース）】
	混声合唱のための「いのちをつなぐ人たちのうた」（上田假奈代　詞　安広真理　曲） 　プロローグ 　第１章　おはよー！私は看護師 　第２章　看取りの現場 　第３章　自転車で今日も走るヘルパー 　第５章　ディサービスのお楽しみの時間 　第６章　夫婦のぼちぼち 　第７章　いのちのために 　エピローグ 　　　　【関西合唱団／関西合唱団とともに歌う合唱団／北部センター合唱団／山本恵造（指揮）／ 　　　　　石田瑞枝（ピアノ）】
	その手の中に　　　　　　　　 （砂入りえ　詞　安広真理　曲　小林康浩　編曲） Heal The World　　　　　　　　（Michael Jackson　詞・曲　Andy Beck　編曲　野坂けいこ　日本語詞） 翼をください　　　　　　　　　 （山上時夫　詞　村井邦彦　曲　若林 千春　編曲） みんなのうた　　　　　　　　　（原田義雄　詞・曲　青山義久 編曲） 　　　　【関西合唱団／関西合唱団とともに歌う合唱団／関西合唱団青年部Peace&Amuse／ 　　　　　ともに歌う青年／山本恵造（指揮）／石田瑞枝（ピアノ）／小川悟史（ドラムス）／ 　　　　　藤岡靖博（ベース）】
	「きっと　いつか」について the text of 'Perhaps' by Vera Brittain is © The Literary Executors of the Vera Brittain Will Trust (1970). 「戦争」について Jacques Prévert : « La Guerre » in Spectacle © Éditions Gallimard 著作権代理：（株）フランス著作権事務所
チラシ （表）
チラシ （裏）
ごあいさつ （プログラムより）	本日は、関西合唱団第86回定期演奏会にお越しいただき誠にありがとうございます。 　今年に入りコロナウイルス感染にともなう行動制限が解除され、コロナ前にほぼ近い形態で演奏会を開催できることができて本当に幸せに感じております。もちろんウイルスとの共存は続きますので、基本的な感染対策を継続しつつ本日を準備してまいりました。 　本日の演奏会では、新実徳英先生に委嘱しました＜戦争と愛のバラード＞を全曲初演いたします。戦争で理不尽に引き裂かれる愛、それを乗り越える愛を描きたいと先生にお願いしたのはコロナ感染が広がり出した2020年初めでした。先生の提案で合唱団員もテキストを探し、３つの詩が選ばれて2021年には作曲をしていただきましたが、前回の演奏会が2年延期されたことにともない初演は２年後になってしまいました。新実先生には初演が遅れたことをお詫びいたします。ウクライナ侵攻で委嘱した時とは世界も日本も大きく変わりましたが、いっそうこの曲のもつ意味は重くなってきたのではないかと思っております。 　また、コロナ禍に懸命にいのちを守っていただいた医療、介護従事者の皆様への感謝を込めて「いのちをつなぐ人たちのうた」を再演いたします。2007年の制作でお世話になった大阪民主医療機関連合会には今回もコロナ禍での状況をお聞きするなどお世話になりました。この場をお借りして感謝申し上げます。 　本日は、レガーテ、守屋博之さん指揮の関西合唱団60周年記念合唱団、キャストやスタッフのみなさんと力をあわせて、楽しく勇気の湧いてくる演奏会となるように精一杯演奏いたします。最後までごゆっくりとお楽しみください。 【関西合唱団団長　山本 則幸】
メッセージ （プログラムより）	<戦争と愛のバラード> 　選ばれた3篇のテキストのうち「きっと　いつか」と「戦争の4年目」は関西合唱団からご提案いただき、「戦争」は私からの提案と記憶している。いずれも第一次世界大戦に関わって生まれた詩である。 　恋人を戦争に取られ失ったブリテン、戦争を耐え忍ぶヘッセ、若者たちを駆り出すことへの怒りをぶつけるプレヴェール、三者三様の悲しみと怒りと愛がここにある。 　それぞれに適切な訳があるが、私はおぼろ気に掴んでいた音像を活かすべく、自ら訳詩を試みることにした。思ったほどに困難でなかったのは、原詩の中に複雑な時制がほとんどなかった故と後で気付いた。 　延期され待ちに待った初演、楽しみにしています。 　末筆になりますが、この度の貴重な機会をいただいたことに心よりの感謝を表するものです。 【新実徳英】 　戦争か平和か、その岐路に立つ今、いのちと平和の音楽会を開催される事に心よりお祝い申し上げます。 　新型コロナウイルス感染症は、最大規模の感染者数、医療崩壊、医療・介護事業所のクラスター多発、過去最悪の死者数をもたらすなど、深刻な事態をくり返しました。 　その一方で、ロシアのウクライナ侵略戦争に端を発した世界的軍事緊張と、それを利用した大軍拡の推進のもとで社会保障制度が解体され続けています。平和と人権尊重の流れへの逆流、後退を許すならば、この国のありかたそのものが、瓦解する危機に直面しています。私たちは広範な人びとと連帯し、これを乗り越えていかなければなりません。 　共にがんばりましょう！ 【大阪民主医療機関連合会】
プログラムノート （プログラムより）	Sing（1973）テレビ番組『セサミストリート』の挿入歌で、カーペンターズがシングルで発表するなど幅広くカバーされている。NHK『みんなのうた』で放映された日本語詞が有名になった。 奇跡～大きな愛のように～（1991）さだまさしは、孤独を感じる人に「一人じゃない。きっとあなたのことを大切に思っている人がいるから大丈夫だよ」との想いで作ったという。 ダイナミック琉球（2008）琉球大学の土木工学科創立50周年を記念して上演された「琉球ルネッサンス」のテーマ曲として制作された楽曲。高校野球応援団の定番曲として全国に広がり、沖縄の自然とこころを歌う若者たちの情熱的な歌詞とメロディが人気である。 民衆のうたが聞こえるか（1980）ミュージカル「レ・ミゼラブル」の劇中歌。1832年にフランス王政打倒のため蜂起したパリ市民が政府軍と衝突する場面で歌われる。香港の民主化デモや韓国のデモなどでも歌われた。 　　　 春の使者（つかひ）（1968）アメリカによるベトナム戦争が激化する中、1968年旧正月にあたる1月30日解放戦線勢力がベトナム全土の米軍施設に奇襲攻撃を仕掛け勝利を収めた。この「テト攻勢」がベトナム戦争からの米軍撤退につながる転換点となったとされている。テト攻勢直後に作られたこの曲は、ベトナム支援のうたごえとして全国で歌われた、 早春（1979）電信電話公社（ＮＴＴの前身）における差別と合理化攻撃とたたかう全国の電通労働者の想いをうたい第24回電通のうたごえ祭典で初演された合唱組曲「自由なる朝へ」の終曲。 　　　 ＜戦争と愛のバラード＞－混声合唱とピアノのための―（2023） 　きっといつか（ヴェラ・ブリテン） 　戦争の４年目（ヘルマン・ヘッセ） 　戦争（ジャック・プレヴェール） 戦争が「国家」という大義のもとに若い恋人や家族の愛を引き裂いてきた不条理を告発する３人の詩人の詩を選んで、新実徳英氏に作曲していただいた作品。出征した婚約者や弟を失い人生を狂わせられた体験をもつ作家ヴェラ・ブリテン、戦争中の好戦的論調に異を唱えて非国民扱いされたヘルマン・ヘッセ、戦争を起こすものに対する鋭い批判を綴ったジャック・プレヴェールの英独仏3人の詩に新実氏の様々な音楽的仕掛けが加えられた楽曲。 　　　 美しい日（2022）第17回レガーテコンサート委嘱曲。人類は地球環境を大きく破壊し続け、また世界中至る所で今も行われている戦争や紛争で築いてきた大切なものや命さえも、一瞬にして壊すという事を繰り返している。この愚行に対して警鐘を鳴らす作品。 ミュージカルベストヒットメドレーより サークル・オブ・ライフ、メモリー「ライオンキング」と「キャッツ」の中の有名なミュージカルナンバーを金井信氏に編曲委嘱した2曲を趣向を凝らした演出で上演。 　　　 混声合唱のための「いのちをつなぐ人たちのうた」（2007） 新型コロナウイルス感染拡大により、日本の医療や介護、公衆衛生の脆弱さが明らかになると同時に、医療・介護従事者や保健所職員などいのちをつなぐために懸命に働く人々の仕事の尊さを実感した。いつでもどこでもだれでも安心してかかれる医療や介護の願いを込めてつくられたこの合唱組曲を医療介護の現場で働く人たちと利用者国民とをつなぐ一助となるように歌い続けていきたい。本日は、2007年初演した全９曲のうち８曲を再演。 　　　 その手の中に(2001)　2002年日本のうたごえ祭典in福岡の取り組みの中で生まれた曲。アフガニスタン報復戦争のもとで、もうすぐ生まれてくる子どもを思って詩は作られた。 Heal the World(1991)　マイケル・ジャクソンが発表した楽曲で「世界を治そう　より良い場所にしよう　すべての人類のために」とバラード風に歌われる。発表後、マイケルは貧困に苦しむ世界中の子どもの救済のためHeal the World基金を設立した。 翼をください（1971）フォークグループの赤い鳥が発表した楽曲、音楽教科書にも掲載されて多くの人が歌える愛唱歌となった。サッカーＷ杯で、震災の鎮魂の場で、そして平和を願って歌い継がれてきた名曲を希望ある自由を願って歌いたい。
＜チラシより＞	＜戦争と愛のバラード＞－混声合唱とピアノのための－ 　戦争はいつも国家のためという｢大義｣のもとに若者たちを兵士として駆り立て、恋人たちの愛を引き裂いてきました．そんな戦争の不条理を告発する３人の詩人の詩を選んで、曲をつけていただきました。 　ヴェラ・ブリテンは、イギリスの作家で、第１次世界大戦で出征した婚的者や弟を失い人生を狂わせられた体験から平和のための文筆活働などを続けた女性です。ヘルマン・ヘッセは｢車輪の下｣などで有名なドイツを代表する詩人・作家。第一次世界大戦の中、好戦的論調に異を唱えて非国民扱いされた当時書いたのが『戦争の４年目』です。そして､シャンソン｢枯葉｣の作詞をしたフランスの民衆詩人ジャック・プレヴェールが鞭争を起こすものに対する鋭い批判を綴った｢戦争｣。 　これらの詩に、日本を代表する音楽家である新実徳英さん自らが新たに訳詩に挑戦し、様々な仕掛けを加えた楽曲です。 三つの詩は100年近く前の第１次、第２女世界大槻の時代に作られたものですが、ロシアによるウクライナ侵攻のいま、驚くほど身近に迫ってきます。
＜チラシより＞	混声合唱のための｢いのちをつなぐ人たちのうた｣ 　この合唱組曲は2007年初演されました。今回は全９曲のうち８曲を演奏します。 　いのちをいつくしみ守るために医療や介護にはたらく人と利用者国民とをつなぎ、いつでもどこでもだれでも安心してかかれる医療や介護の願いを込めて、この合唱相曲はつくられました。大阪民主医療機関連合会のご協力をいただき、看護師．医師、ヘルパー、介護施設利用者、訪問看護利用者などに聞き取りを行い、詩人の上田假奈代さんに作詞、安広真理さんに作曲をしていただきました。 　しかし．新型コロナウイルスの感染拡大により、「助けられる命が助けられない」状況か多発し、日本の医療、介護、公衆衛生の脆弱さが誰の目にもはっきりしました。そして、医療従事者や保健所職員、介護従事者などいのちをつなくために命かけて懸命に働いている人たちの仕事の尊さを実感しました。私たちは．いまこそこの組由を多くの方々に聞いていただきたいと考えています。
＜感染対策＞	新型コロナウイルス感染対策へのご協力のお願い 　開催にあたり、以下の感染予防対策へのご協力をお願いいたします。 ・のどの痛み等の症状があり体調に不安がある方につきましては、ご来場をお控えいただきますようお願いいたします。 ・混雑を緩和するため、入退場を規制する場合がございます。ご来場の際にはお時間に余裕をもってお越しください。 ・入場時に体温チェックを行います。平熱より１度以上高い発熱、または３７．５度以上高い発熱がある方は、入場をお断りさせていただきます。 ・マスクの着用を推奨したします。また、こまめな手洗い、手指の消毒をお願いいたします。 ※当合唱団、住友生命いずみホールのホームページにも感染防止対策を詳しく載せておりますので、あわせてご覧ください。